【ダイエット】糖尿病の薬を飲むと痩せる?効果の検証結果や副作用・市販品があるのかを解説!
無理な食事制限や運動なしで痩せられると、ニュースやSNSでも話題の「糖尿病薬」を使ったダイエット。
本来、糖尿病の薬は血糖値を下げるために服用するものです。
しかし、食欲抑制や糖質カットの作用も見込めることが研究で明らかになってからは、ダイエット目的でも処方されています。
※リベルサス/オゼンピックなど
糖尿病薬※の肥満治療における「体重減少」効果は、世界各国で科学的に証明されているのがポイント。
また、ヨーロッパで行われた研究では、30週間(6~7か月)で5.8kgの体重減少の効果が報告されています。
国内でも研究が行われており、2023年には52〜56週間で4.4kgの効果が報告されました。
ダイエット効果が期待できる 糖尿病薬の名前は? |
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\食欲抑制/ GLP-1受容体作動薬 |
・リベルサス(錠剤) ・オゼンピック(注射) ・サクセンダ(注射) ≫詳細を見る |
\糖質カット/ SGLT2阻害薬 |
・ジャディアンス(錠剤) ・ルセフィ(錠剤) ≫詳細を見る |
参考:2型糖尿病患者における1-3経口抗糖尿病薬の追加剤としての週1回セマグルチド1.0mgと1日1回1.2mgの有効性と安全性(SUSTAIN 10)
糖尿病薬を飲むと痩せるのはなぜ?ダイエット効果が期待できる仕組みとは
糖尿病薬を飲むと痩せるのは、副効能で「食欲抑制」や「糖質カット」の効果が期待できるためです。
糖尿病薬は、糖尿病を患っている方だけでなく、健康な方の体にも作用します。
「飲むだけで痩せる」は事実?運動や食事制限は必要?
糖尿病薬を使ったダイエットでは、無理な運動や食事制限は不要です。
ただし、薬の効果で食欲が落ちたり糖質カットできたりしても、必要以上に食事を摂っていると痩せられません。
過度な食事制限は不要ですが、食生活を見直すことで効率的なダイエットが叶います。
▼見直したい食生活のポイント
- 空腹を感じてから食事を摂る
- 揚げ物やスイーツの頻度を減らす
- 野菜や海藻、キノコ類から食べる
- 飲み物は水やお茶に変える
糖尿病の薬は肥満症の治療にも使われている
糖尿病の治療薬は、国内外で肥満症の治療やダイエットにも利用されています。
肥満 | BMIが25以上 |
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肥満症 | BMIが25以上で 肥満に伴う合併症がある |
肥満症の治療に利用されるのは、医師がダイエット効果に注目しているからこそ。
実際に糖尿病薬をダイエット目的で処方するクリニックは増えており、売り切れが出るほどの人気ぶりです。
【種類別】ダイエットに使える糖尿病の薬の効果と値段
ダイエットに使える糖尿病薬は、大きく3種類に分類されます。
糖尿病薬の種類と効果 | |
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GLP-1 受容体作動薬 |
食欲の抑制 |
SGLT2阻害薬 | 糖の再吸収を 阻止 |
ビクアナイド薬 | 糖を体外に排出 |
糖尿病薬は市販されておらず、入手するためには内科やダイエット外来へ行く必要があります。
また、最近では一部の病院で「オンライン診療」を使った糖尿病薬の処方も行われていますよ。
※オンライン診療は医師の診療が必要となり、医師の判断によってはお薬を処方できない場合があります。
GLP-1受容体作動薬(リベルサスなど):食欲を抑制する
GLP-1受容体作動薬(ジーエルピーワンじゅようたいさどうやく)は、食欲抑制の効果が期待できる糖尿病薬です。
服用すると、有効成分が満腹中枢に作用し食欲を抑制。
さらに、胃腸の動きを緩やかにして、胃の中に長く食べ物を留めることで満腹感を維持します。
▼GLP-1受容体作動薬は通販でも買える
GLP-1受容体作動薬の料金表 | |
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クリニックフォア | 9,350円/30日分 ≫公式を見る |
DMMオンラインクリニック | 8,580円/30日分 ≫公式を見る |
デジタルクリニック | 9,350円/30日分 ≫公式を見る |
※税込み/自由診療
人気のGLP-1受容体作動薬は、飲むタイプの「リベルサス」です。
SGLT2阻害薬(ルセフィ・ジャディアンスなど):糖の再吸収を阻止する
「SGLT2阻害薬」には、尿中のブドウ糖の再吸収を阻止する効果が見込めます。
ブドウ糖は10gで40kcal(キロカロリー)と、エネルギー量が多い物質です。
SGLT2阻害薬を服用すると、1日に約80gのブドウ糖の再吸収が防げます。
つまり、1日約320kcal分のカロリーカットに繋がるのです。
参考:肥満2型糖尿病患者におけるDPP-4 阻害薬からSGLT2阻害薬トホグリフロジンへの切り替えの検討
ビグアナイド薬:糖を体外へ排出する
「メトホルミン」などのビグアナイド薬には、糖を体外へ排出する作用があります。
ただし、糖を体外へ排出する作用が見つかってから日が浅いため、排出量や仕組みは研究段階。
体重減少率もはっきりと分かっておらず、ビグアナイド薬がダイエット目的で処方されるケースは少数です。
糖尿病の治療の際「飲んでも太りにくい薬」として処方されています。
参考:古くて新しい経口血糖降下薬メトホルミン:腸管腔へのブドウ糖排泄の促進
誰でも飲める?糖尿病薬を使ったダイエットの危険性と注意点
糖尿病の薬は、禁忌とされている人が使用したり誤用したりすると、健康被害を引き起こすことがあります。
糖尿病薬※は、肥満治療でアメリカFDA(日本の厚生労働省にあたる機関)に一定の安全性が認められた薬です。
しかし、一定の安全性が担保されるのは正しく使った場合のみ、間違った使い方をして体調を崩す方が相次いでいます。
※リベルサス/オゼンピックなど
痩せ型の方や妊婦は服用できない
健康被害を起こす恐れがあることから、BMI18.5以下の痩せ型の方は、ダイエット目的※で糖尿病薬を飲めません。
また、胎児への悪影響が懸念されるため、妊娠中の服用も禁忌とされています。
ダイエット目的で糖尿病薬が飲めない人は?
- BMI18.5以下の人
- 妊娠中や妊娠の可能性がある人
- 授乳中の人
- 膵炎にかかったことがある人など
※2型糖尿病の治療目的での服用は可能です。
BMIは、体重(kg)と身長(m)を使って算出します。
計算式は【体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=BMI】です。
たとえば、体重70kgで身長が160cmの場合には「70÷1.6÷1.6」と計算し、BMIは27.3と算出されます。
低血糖など副作用のリスクあり
GLP-1受容体作動薬・SGLT2阻害薬・ビグアナイド薬など、どの糖尿病薬にも副作用があります。
副作用とは、薬を投与したときに起こる有害な反応のことです。
糖尿病薬の主な副作用
- 低血糖
- 急性膵炎(すいえん)
- 胃腸障害
- 吐き気
- 下痢
- 腹痛
- 気持ち悪さなど
糖尿病薬の副作用が起こる確率は、どの症状も5%以下(100人に5人以下)と決して高くはありません。
ただし、症状の発現率が低いのは正しく使用した場合のみです。
間違った使い方をすると健康被害を受けやすい
間違った使い方で糖尿病の治療薬の投与を続けると、強い副作用が出て健康を害することがあります。
糖尿病薬の間違った使い方とは?
- 自己判断で投与量を増やす
- 医師に相談せず投与と中止を繰り返す
- 毎日違った時間に服薬する
- 2つ以上の糖尿病薬を併用する
過去には、自己判断で糖尿病薬の服用を続けて体調を崩し、日常生活に支障をきたしてしまった方もいます。
誤用や乱用により、低血糖や急性膵炎などのリスクは高まるため、薬は必ず医師の指示通りに使用しましょう。
糖尿病の痩せる薬は市販されていない
糖尿病の痩せる薬は、薬局やドラッグストアなどで市販されていません。
△入手不可 | 薬局 ドラッグストア Amazon 楽天市場など |
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◎入手可能 | 病院 オンライン診療 |
市販されていないのは、糖尿病薬の誤用や乱用などを防ぐためです。
糖尿病薬には飲み合わせの悪い薬もあり、併用すると体調を崩してしまう恐れもあります。
高い効果が期待できる薬には相応のリスクが伴うため、できるだけ安全に使用するためにも、医師の診察をしっかり受けましょう。
【Q&A】2型糖尿病の薬やダイエット薬に関する疑問を解決!
Q.
糖尿病薬のリベルサスを使った研究では、26週間で2.5kgの体重減少が確認されています。
▼リベルサスの研究や症例 | |
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2型糖尿病患者を 対象とした研究 |
26週で-2.5kg |
デジクリの症例 | 2か月で−8kg 7か月で−15kg |
湘南美容クリニック 痩身外来の症例 |
3か月で-5.4kg |
Q.
注射タイプの糖尿病薬にも、一定のダイエット効果が見込めます。
実際に注射タイプの糖尿病薬を使った研究では、1〜5kg程度の体重減少が確認されていますよ。
▼注射薬の種類と研究データ | |
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オゼンピック | 30週間で-5.8kg |
52〜56週間で-4.4kg | |
サクセンダ | 30週間で-1.9kg |
26週で-3.38kg |
なお、注射タイプの糖尿病薬には、食欲抑制の効果が見込めます。
投与すると食欲が落ちるため、自然に食事量が減少。
その結果、無理な食事制限をしなくても体重が減るのです。
参考:GLP-1受容体作動薬の体重減少効果/Supplementary Methods
Q.
もともと食事量が少ない場合、糖尿病薬を飲んでも痩せないことがあります。
糖尿病薬で痩せない人の特徴
- 少量の食事で満足できる人
- 空腹感がなくても食べてしまう人
- 服薬の継続が苦手な人
糖尿病薬は、BMI値が高いほど、より大きな効果が見込めますよ。
糖尿病の薬を使ったダイエットは、無理な食事制限や運動なしでダイエット効果が期待できます。
しかし、食欲が落ちても食べる量が変わらなければ、体重は減りません。
薬の効果が出てきたら、無理のない範囲で食生活を見直す事が大切です。
Q.
GLP-1ダイエットやリベルサスには、副作用のリスクがあります。
▼GLP-1ダイエット薬の副作用 | |
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よくある副作用 | 胃腸障害 (吐き気、下痢など) |
まれに出る副作用 | 頭痛、便秘、嘔吐 腹痛、めまいなど |
注意したい副作用 | 低血糖 急性膵炎 |
ほとんどの副作用は、薬の服用を続けると自然に落ち着きます。
ただし、自己判断で薬の中止・再開を繰り返したり、投与量を増やしたりすると強い症状が出ることも。
できるだけ安全にダイエットを続けるためにも、薬の投与期間や量の調整は医師に任せましょう。
Q.
食欲抑制の効果が期待できる糖尿病薬には、「GLP-1受容体作動薬」が挙げられます。
GLP-1受容体作動薬とは?
- 海外では肥満症治療に使われる薬
- 飲み薬と注射薬がある
- 食欲抑制の効果が期待できる
GLP-1受容体作動薬で食欲が抑制できるのは、「GLP-1」に似た物質が入っているためです。
GLP-1は人間の小腸から分泌されるホルモンの1つで、脳や胃腸に働きかけて、食欲を落とす作用があります。
Q.
糖尿病薬のメトホルミンは、服用すると体重が落ちるケースもあります。
ただし、体重減少率は低いためダイエット目的で処方されることは少ないです。
参考:審査報告書
Q.
糖尿病の薬を使ったダイエットがニュースになっているのは、利用者が続々と増えているためです。
特に、内服タイプのダイエット薬「リベルサス」は、手に入れやすく「飲むだけだから続けやすい」と人気。
しかし利用者が増えるに伴って、危険な使い方をする方も増えており、医師や厚生労働省が注意喚起しています。
未承認医薬品等 異なる目的での使用:リベルサスをはじめとするGLP-1受容体作動薬、ルセフィ・ジャディアンスなどのSGLT2阻害薬、メトホルミンは国内でダイエット効果の承認を受けていません。
入手経路等:国内医薬品販売代理店
国内の承認医薬品等の有無:国内でダイエット効果の承認を受けた医療用医薬品はありません。
諸外国における 安全性等に係る情報:低血糖・急性膵炎・胃腸障害の張り等のリスクがあります。
医薬品副作用 被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、 国の医薬品副作用被害救済制度の対象外です。